BOOK ブック 

という英単語の由来は、古代ローマの時代までさかのぼります。
そのころ、本はブナの木の内側の皮で作られていました。
この樹皮は「liberリベル」と呼ばれ、本の代名詞でもありました。

当時の古英語では、ブナの木を「bocボク」と呼んでいたようです。
日本語でも、たまたま、木を「ぼく」とも読むところがおもしろですね。

現在では、ブナの木は、「beechビーチ」です。
ブナの木・beechビーチは、英国ではよく見かける樹木で、
Mother of Forests(森の母)と呼ばれています。
高さは30メートル前後、周囲は6メートルほどの巨木に成長します。

ブナの木「bocボク」の樹皮に文字を書いていたことから、
文字の集まりである「本」を意味する「book」という英単語が生まれたのでした。
ラテン語を母とするロマンス諸語における「本」の呼び名を見てみましょう。

ラテン語の樹皮「liberリベル」が、
ロマンス諸語の「本」を意味する単語の直接の語源になっています。
フランス語の「本」は「
livrerリブル」、スペイン語は「libroリブロ」、
ポルトガル語は「
livroリーヴロ」、イタリア語では「libroリブロ」になります。
ども言語も兄弟姉妹なので、本のつづりはほぼ同じです。

また、ラテン語の「liberリベル」から生まれた英単語として、
図書館の「libraryライブラリ」があります。
これは、lib(er)本+ary場所からわかるように、
本としての樹皮liberの集合場所である図書館というわけです。

洋の東西を問わず、樹を使って紙や本にしていたところは同じだというのが分かりますね。

Pajamas パジャマ

 ジャマは、私たちの体の上から下までを覆う衣服のひとつ。
夜寝るときに着替えるいわゆる寝間着のことですよね。

もともとは、ペルシャ、イラン、サウジアラビアのような中東の国々で、
一日中着ているだぶだぶのズボンのことでした。

ふしぎな響きのする「パジャマ」という英単語は、実はペルシァ語なのです。
だから「パジャマ」の音は、ふつうの英語の語感とは、何となく響きがちがうわけですね。

pajamasのpa(e)は、ペルシャ語で、足の意味。
また、jamaは、服のことを表しています。
合わせて、pajamasは、「足の服」というのが、文字どおりの意味になります。

本来のpajamasといえば、中東の物語・アラビアンナイトに出てくる人々が身に着けているようなゆったりしたズボンを想像すると分かりやすいですね。

このゆったりした、きつくない衣服が寝るときの服として使われるようになったのには、なるほどね、と納得がいきますね。